会長挨拶
釈迦の言葉に「一切皆苦」すなわち「生きることは苦」という悟りがあります。「苦」はサイエンスの言葉ではストレスに相当します。ストレスのない世の中はないという悟りです。処理できないストレスが長く続くと、誰でもストレス性の病気、高血圧・糖尿病・胃潰瘍・うつなどになることが現代医学では知られています。ストレスが心身に問題を発生させるシステムとして、視床下部・下垂体・副腎軸(HPA軸)のストレス回路が確立されてきました。病んでしまった場合には当然、医療を受ける必要がありますが、未病の段階では必ずしもそうではありません。ストレス解消、ヒーリングリラクセーションのために、さまざまな施術や生活術が工夫されてきました。これに関連して、最近の脳科学で注目すべき発見がありました。視床下部のストレス中枢を抑制する脳内物質「オキシトシン」が見出されたのです。脳からストレスを消して、癒しをもたらす秘薬とも言える物質です。この「オキシトシン」を自力で分泌させるためには、スキンシップとグルーミング行動が有効であることも判明しました。リフレクソロジーをはじめ、エステ、マッサージなどは、スキンシップによる「オキシトシン」活性の施術ということになります。また、グルーミング行動としては、家族や友人との団欒、ペットとの癒し行動などがあります。本協会では、現代科学に基づいて、ヒーリングリラクセーションの重要性を世間に広めると伴に、未病を癒す活動を積極的に推進して参ります。
プロフィール
東京大学医学部卒業後、東海大学病院で臨床に、筑波大学基礎医学系で脳研究に従事、その間に米国留学。1996年より東邦大学う医学部統合生理学教授。「セロトニン研究」の第一人者として各界から注目を集める。2013年、東邦大学名誉教授。現在、御徒町駅前にあるセロトニンDojoを開設し、セロトニン活性法の指導とトレーナー養成を行っている。著書に「脳からストレスを消す技術」(サンマーク出版)、「脳ストレスが消える!セロトニン&オキシトシン生活」(宝島社TJMOOK)他多数。